「働き方改革推進支援助成金を申請するなら今!」
という事が4月上旬頃に一部で話題になっていました。
では、誰がどんな目的で使うのが良いのでしょうか?
今回の記事では、働き方改革推進支援助成金の申請の流れと、オススメの使い方について解説していきます。
- 中小企業の経営者
- 個人事業主で店舗型の経営をしている方
- 個人事業主で人を雇ってる方
- コロナ収束後に事業展開をしようと考えている方
- コロナで様々なスケジュールが遅延している会社の経営者
働き方改革推進支援助成金は今すぐの資金繰りに向かない
働き方改革推進支援助成金は、今すぐ現金を確保するような使い方はできません。
あくまで、働き方改革を進める上での費用を後から行政に支援してもらうという制度です。
なので、借入や給付金のように今すぐ多目的に使える現金を確保する使い方はできないのです。
では、どういった使い方ができるのでしょうか。
働き方改革推進支援助成金は、アフターコロナ対策に役立ちます。
コロナウィルスの収束後に、具体的にどのような使い方を狙っていくのが良いのかを詳しく解説していきます。
- 働き方改革を進める為の予算を一部行政が出してくれる
- 使い方が限られていて、自由に使えるお金ではない
- お金は支払い後に貰えるので目の前の資金繰りには使えない
- アフターコロナ対策に使うのがベスト
アフターコロナで役立つ働き方改革推進支援助成金の使い方5選
具体的には、このような形でアフターコロナ対策に働き方改革推進支援助成金を使う事がおすすめです。
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- 今から始めるテレワークの導入
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- 店舗にPOSシステムを入れたい
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- 労務管理用のソフトを使って残業削減を狙う
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- 社労士さんやコンサルを入れて立て直しを狙う
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- コロナで遅れている社員研修の費用削減を狙う
順番に解説していきます。
テレワークの導入を狙っていく場合
働き方改革推進支援助成金には2つのコースがあり、その1つがテレワークコースです。
名前の通り、テレワークの推進を進める為の助成金です。
試行的に導入している、もしくは新規で導入する事業者が対象です。
後述する「対象となる取組」から1つ選んで、申請をしてください。
- テレワーク用の通信機器の導入、運用
- 保守サポートの導入
- クラウドサービスの導入
- 就業規則、労使協定等の作成や変更
- 労務管理担当者や労働者への研修や勉強会
- 外部からコンサルを入れる事
注意点としては、通常のパソコンやスマホ、タブレットは支給対象となりません。
支給対象にするには、シンクライアント端末と呼ばれる必要最低限の機能のみに制限をしたパソコンでなければなりません。
なので、ここでは保守サポートやクラウドサービス、外部コンサルといった部分が狙い目です。
また、申請には「成果目標」が必要です。
テレワークコースの成果目標は下記の通りです。
- 対象労働者全員に一回以上テレワークを実施させる
- テレワーク実施の週平均を1日以上にする
- 残業を前年と比較して月間で5時間以上削減する
これらは未達でも補助金が支給されます。
しかし、未達の場合は対象経費の1/2が助成率となります。
達成すれば3/4が助成率となるので、金額が大きく異なります。
詳しくはこちらの図をご覧ください。
それ以外の使い方について
それ以外の使い方の場合は、働き方改革推進支援助成金の労働時間短縮・年休促進支援コースとなります。
こちらは取組と成果目標をそれぞれ1つ以上選んで申請します。
1つ以上なので、多く選んでもOKです。
ただし、実際の支給のためには成果目標の達成が必要になります。
取組については以下の通りです。
- 労務管理担当者への研修
- 労働者に対する研修、勉強会
- 外部からのコンサル
- 就業規則、労使協定等の作成や変更
- 人材確保の取組(求人など)
- 労務管理用ソフトウェアの導入や更新
- 労務管理用機器の導入や更新
- デジタコの導入や更新
- テレワーク用通信機器の導入や更新
- 労働効率を上げる設備、機器等の導入や更新
研修には業務研修も含まれます。
ですので、コロナ対策で新入社員研修などのスケジュールが延期されている会社は狙い目です。
また、コンサルを入れて立て直しを測る場合は、売上UPだけではなく残業時間の削減を合わせて狙いましょう。
そうすることで、この助成金をコンサル費用にも充てる事が可能になります。
人件費や残業代削減のために、飲食店などにPOS機能を入れる場合は「労働効率を上げる設備、機器等の導入や更新」を選べばOKです。
注意点としては、POS機能導入に際してのパソコン、タブレット、スマートフォンは支給対象にできません。
タブレットに入れるPOS機能のソフトが有料の場合は、そちらの金額を対象とする事ができます。
ドロワーやレシートプリンター、レシート用紙などは対象として申請できます。
成果目標については以下の通りです。
- 月60時間以下または60〜80時間以下の上限で36協定を出す
- 月間の所定休日を1日〜4日以上増加させた実績を作る
- 特別休暇の規定を1つ以上新たに導入する
- 時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入する
- 賃金の引き上げを3%または5%以上する
賃金の引き上げについては、残業削減と合わせての実施を行政側も見込んでいます。
36協定や特別休暇、年次有給休暇の設定は就業規則の改定や届出のみでOKなので比較的達成がしやすいです。
長くなりましたので、この章の内容を一旦まとめておきます。
- どの目的で助成金を使うか決める
- 目的に沿った取組を決める
- 目的と取組に沿った成果目標を決める
- いつからやるのかも含めて、申請を出す
働き方改革推進支援助成金の条件や手順など(簡易版)
働き方改革推進支援助成金が実際に支給されるまでの大まかな流れは以下の通りです。
- 助成金の使い方を決める
- 申請を提出
- 成果目標に向けて取組開始
- 取組結果を提出
- 助成金が支給される
簡易的に説明すると、上記のような流れとなります。
ここで大きな注意点があります。
それは、取組実施や費用発生は「申請を提出した後」に行わなければならないということです。
現状できている事に対して、後付けで助成金の申請を行う事はNGです。
「今できていない事をできる様にするために、行政もお金でバックアップするよ」
という仕組みだと認識して頂ければ大丈夫です。
ですので、何か新しい取組を始める前には助成金が使えないかどうかを確認することをおすすめします。
また、助成金が使える事業主の条件は以下の通りです。
勘違いしやすいポイントとしては、「中小企業事業主」と言っても別に法人化している必要はないということです。
個人事業主でもOKなので、勘違いして申請を諦めるのは勿体ないです。
働き方改革推進支援助成金を窓口に直接聞いてみた
今回の解説は行政窓口へ実際に質問を行って記載しています。
基本的には厚生労働省のHPの内容で、勘違いしやすいポイントやわかりにくいポイントを噛み砕いて記載しました。
また、外部委託で請け負う研修業が軒並み延期になっている現状と照らし合わせています。
コロナで割りを食った分、研修費用を一部国から出してもらえる様に持っていければベストだと考えました。
結果的に残業代が削減されればアフターコロナ対策として使えるな、と思ったのがこの記事を書いた背景です。
厚生労働省のHPを参考リンクとして下記に掲載します。
働き方改革推進支援助成金はアフターコロナに役立つ
今回の記事のまとめです。
- 即効性のある資金繰りには使えない
- 用途自由のお金がもらえるわけではない
- 申請→実施→支給の手順で行う
- 申請後に取組実施をしないと支給されない
- 使い方を考えればアフターコロナ対策に使える
働き方改革推進支援助成金とはアフターコロナ対策として事業の立て直しに使う事ができる助成金です。
今のうちにアフターコロナ対策の計画を立て、緊急事態宣言が明けるのと同時に取組実施ができるように申請しておくことをおすすめします。
行政が用意した制度をぜひ、有効活用しましょう。
その他の助成金や給付金に関する記事を参考記事としてピックアップしました。
そちらも是非ご一読下さい。
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