【シーシャ屋さんに特化】失敗せずに今月からできる棚卸のやり方

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棚卸しって何だか難しそうだし、面倒くさそう。個人店だし必要ないでしょ。一応、税理士さんにお願いしてあるし。

もし、棚卸しについて知識が無かったり、難しそうだからと言って避けていると確実に損をします。

なぜならお店の収支をどんぶり勘定として扱っているのと一緒だからです。

シーシャ業界が賑わって欲しいし、どのお店もなるべく長くご商売を続けて欲しい。

少しでもお役に立てる記事があればと思うので、今回はシーシャ屋さんに向けた棚卸し管理の方法をお伝えします。

こんな人は要注意というチェックリストも付けておきますので、当てはまる項目があればカップラーメンを作る3分程度の時間で良いので、この記事を読んでみて下さい。

  • これからシーシャ屋さんを開業しようとしてる人
  • シーシャ屋さんを開業して間もない人
  • 棚卸し関係は税理士さん・会計士さんに丸投げしてる人
  • 棚卸しをきちんとしてない人
  • 商品の原価率がよくわかってない人
  • 主力商品がどのくらい稼いでくれてるのか把握してない人

会計士さんや税理士さんにお願いしてても店舗の仕事はあります

確かに税理士さんや会計士さんにお願いすれば、店のPL・BS作成をやってくれます。

当然、確定申告の際に提出する在庫高の金額もきっちり仕上げてくれます。

ですが、税理士さんや会計士さんがお店の商品を実際にカウントしてくれる訳ではありません。

商品発注や商品管理、棚卸しの実在庫カウントを行うのはお店の仕事です。

棚卸しの仕組みがイマイチよくわかってない場合、この作業がいい加減になりがちです。

当然カウントが正確に行われていなければ、税理士さんや会計士さんが作成するPL・BSも誤ったものになります。

中身の計算が正確に出来なかったとしても、仕組みと必要な理由を覚えておくのは店舗経営の助けになるはずです。

次章から、実際の業務内容を想定した棚卸しの手順やしくみを解説していきます。

棚卸しをやるタイミングは毎月決まった日にやるのがおすすめ

  • 小規模店舗であることが多い
  • 取扱商品の幅がそれほど多くない

上記の理由から、毎月棚卸しを実施する事をおすすめします。

月末日の営業終了後にやる事をおすすめしますが、何らかの都合で難しい場合は、特定の決まった日に行えばOKです。

シーシャを作って提供するのは、フレーバー量が均一ではなかったり、こぼしてしまって無駄にしてしまう事もあるかと思います。

一回の量は微々たるものでも、積み重ねで大きなロスになる可能性があります。

毎月棚卸しを実施していれば、その誤差分が品減りとして見える化できます。

これは従業員教育にも役立つ情報ですので、是非毎月棚卸しをする事に取り組んでみましょう。

また、棚卸しは利益を確定する仕事なので、毎月の利益数値が正確だと店舗の収支が正確に分かるので安定経営を目指しやすいですよね。

総平均法による棚卸しの方法

棚卸しをする前の一工夫

棚卸しをする前に仕入れ金額と在庫把握の一工夫をお伝えします。

シーシャを作って提供する時に、一回でフレーバーを一箱丸ごと使うシーシャ屋さんはありませんよね。(全品オーバーパックやザクロールで50g使うというコンセプトのお店は別ですが)

おおよその店舗では、一台あたりに使うフレーバーの目安グラム数が決まっていると思います。

もし目安グラム数が決まっていない運用をしているのでしたら、経営数値管理の面から決めておく事をおすすめします。

消費量がグラム単位なので、仕入れの際もグラムあたりの金額を出しておくと、棚卸しが正確になります。

架空の例ですが、こんな感じで仕入れ伝票に基づいて仕入れ表を作っておくと後で楽になると思います。

表計算ソフトを使えば、誰でも簡単に作る事ができます。

この表を使えば、下記内容の理論値が管理できます。

  1. いつ仕入れたのか
  2. どこから仕入れたのか
  3. グラム当たりいくらで仕入れたのか
  4. 今月どのくらいの量を仕入れたのか
  5. 今月仕入れの合計金額とグラム数

棚卸しを行う上で、この項目を把握できるようにしておく必要があります。

また、毎日シーシャが何本出たのか本数を記録しておくようにすると棚卸しがスムーズに実施できます。

シーシャ店舗の実務上は総平均法が向いている

実際にシーシャを出す際は、様々なフレーバーをMIXすると思いますし、急いで作る場面もあると思います。

そういった時に、いちいちどのフレーバーを何グラム使ったかという履歴を残すのは難しいでしょう。

ですので、フレーバー全体を一つの商品として扱い、平均の仕入れ単価を出して管理するのが良さそうです。

平均の仕入れ単価の事を『総平均単価』と呼びます。

今回の場合は、こんな計算式で算出します。ここでは、月末日の営業終了後に棚卸しを行う事を想定した内容で、専門用語をわかりやすく置き換えて書いてます。

さらに、実際の棚卸しで確定する金額は、

総平均単価×棚卸し時にあるフレーバーの合計グラム=棚卸しで確定する在庫の金額

という具合に計算します。

この棚卸しで確定する在庫の金額の事を『月末在庫棚卸高』と呼びます。
(もしくは、期末棚卸資産価額と呼びます)

既に税理士さんや会計士さんに依頼をしている場合は、どんな方法で棚卸高を算出しているのかを確認しておくと良いと思います。

この方法は飲食店の多くでも採用されている算出方法なので、もしまだ棚卸しを行えていない方は是非参考にして下さい。

棚卸しの作業手順を考えてみましょう

具体的に棚卸しを行う手順を考えてみましょう。

  1. 前月からの繰り越し在庫のグラム数をフレーバー全体の合計で調べる
    (=前回の棚卸し時に実際にあったフレーバーのグラム数)
  2. 前月からの繰り越し在庫の金額をフレーバー全体の合計で調べる
  3. 今月仕入れたグラム数をフレーバー全体の合計で調べる
  4. 今月仕入れた金額をフレーバー全体の合計で調べる
  5. 先ほどの計算式で総平均単価を計算する
  6. 棚卸し時点で実際にお店にあるフレーバーのグラム数を数える
  7. 総平均単価と実際にあるグラム数を掛け算して、棚卸高を算出する
  8. (今月出たシーシャ台の本数)×(1本あたりに使うフレーバーの総グラム数)を計算する
    ※理論値としての使用グラムを出す
  9. 理論値としての使用グラム×総平均単価を掛け算して、棚卸高の理論値を算出する
  10. (9項目で出した棚卸高の理論値)ー(7項目で出した棚卸高)=棚卸し増減額

以上の10工程で棚卸しは完了します。

10項目の棚卸し増減額というのは、マイナスであるのが普通です。これを通称、品減りと言います。

品減りは商品ロスという名の経費です

品減りというのは、PLの経費項目に入ってくる数値であり、商品ロスのことです。

つまり、フレーバーを売上にせずどのくらい紛失したかという金額です。

シーシャ屋さんで起こる品減りの原因は以下のものが考えられます。

  • スタッフ練習用でフレーバーを使用
  • 規定よりもシーシャ1台あたりのフレーバー使用量が多い
  • フレーバーをこぼして無駄にしてしまってる
  • フレーバーが盗まれてる
  • 当月に出たシーシャ台数の合計が間違ってる

スタッフの練習も台数を記録しておくと、品減りの原因が1つ消し込むことができます。

練習以外の品減り要因は、どれも従業員教育が必要な内容なので、適切に指導することで利益改善が見込めます。

こういった内容を明らかにする事が棚卸しの目的の1つです。

原価率の出し方

棚卸しのもう1つの目的として、原価率を出す事があげられます。

原価率の出し方は以下の通りです。

売上原価(円)=(前月から繰り越したフレーバーの合計金額)+(今月仕入れたフレーバーの合計金額)ー棚卸高

原価率(%)=(売上原価)÷(シーシャの売上金額)×100

この様にして、シーシャ1本あたりの原価率を出す事ができます。

今回の記事では、専門用語としてPL・BSや原価率といったものが出てきました。

この単語に関しては、説明してしまうとそれだけでブログ記事1本分になってしまうので、よく分からない方はGoogle検索で調べてみて下さい。たくさん出てきます。

同様にして他の商品も棚卸ししてみよう

同じ手順でドリンクや物販、フードなども棚卸しをしてみましょう。

そうする事でお店全体の棚卸しが完了します。

お店全体の棚卸しが完了したら、各棚卸高の合計がそのお店全体の月末在庫棚卸高です。

同様にして、お店全体の売上原価と原価率も算出することができます。

できる限り、専門用語を避け、実際のシーシャ店舗の状況に合わせて解説をしてみましたが、いかがでしたでしょうか。

この記事内容がお店の継続・発展の為に少しでもお役に立てれば幸いです。

もしこの記事を見て棚卸しを手伝って欲しいという方がいらっしゃったらTwitterでDM頂けたら個別でご相談に乗ります。

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